−−:岸本さんは、お茶農家さんになって何年になるのですか?

岸本:専業農家になったのは2011年からだから、2年半です。



−−:もともとは高知市の方なんですよね?
(仁淀川町は高知市から車で90分ぐらい。たかだか90分ですが、
 スーパーもコンビニもなく高校もなくなってしまったこの町では、残るのはご年配の方。
 子育て世代が隣町に移り住むような状況で、
 家族で移住されるというのはなかなか勇気がいる決断です)


岸本:市内で大工をしてました。
   おじいちゃんの畑がこの沢渡にあったので、
   小学校の低学年からゴールデンウィークといえば手伝いにきていました。



−−:大人になってもずっと?

岸本:そう、ずっと。ずっと見てたから、
   後継者が誰もおらんなったらお茶畑がなくなるっていう危機感がすごくありました。

−−:そこで仁淀川町に移住を茶農家に?

岸本:えぇと。仁淀川町に移住したのは7年前で、
   4年ぐらい兼業農家してました。
   おじいちゃんといっしょにお茶をやってました。
   専業になったのはおじいちゃんが病気になってしまって、
   あとを継ぐには生半可ではいかんなと思い専業になったんです。



−−:下準備はできていたんですね。でもこのご時世、
   専業農家になるってまわりの方の反応はどうでしたか?

岸本:じいちゃん、ばあちゃんには反対されました。
   心配っていうのがあったんだと思います。

−−:そうですよね。

岸本:でも、お茶農家として生きていく気持ちが強かったから。

−−:それで「沢渡茶」を作ったんですね。



岸本:今までと違うことはじめんとこれから生き残っていけんし。
   自分の中で想い、考え、
   沢渡の名前を使った沢渡茶というお茶をつくって、
   通年販売できるものが必要やって思って。

−−:今は農家の方が商品を作って売るというのも
   当たり前になってきましたが、仁淀川町ではまだ少ないですものね。

岸本:高知県がやっている「弥太郎塾」にも通って、
   人が5年かけてやるところを3年かけて、
   話しが聞けるところにはどこでも出ていきました。
(弥太郎塾:高知県が行っているビジネスセミナー。
 地域の素材を生かした新商品の開発や県外へと販路を拡大したい、
 業種の方と連携して新しいビジネスを立ち上げたいと考えている方を対象としたビジネス実践研修)


−−:沢渡茶を新宿の無印良品さんで見たときには驚きました!

岸本:弥太郎塾の経緯で知ってもらえて。
   お茶に特徴がないって言われたんだけど、
   僕の経緯や熱意でおいてもらってます。

−−:特徴がないとは?

岸本:バイヤーさんはおいしいとは言ってくれるんですが、
   おいしいお茶はたくさんありますからね。

−−:特徴ってこだわりとかですかね?

岸本:それを言われるとつらいんです。
   今は一生懸命で。
   この土地でみんながやってきたお茶の栽培方法を習得して、
   生産に関して通年のやるべきことをやっと覚えたところです。
   おじいちゃんの言われることをやりよっただけで、
   土や肥料のこと何のためにこれをするかとか知識がまだまだないですし。
   農業している人の話を聞いても、
   土づくりから…とよく言われますが、
   これからはもっとそこのところを重点おいてやっていきたいですね。
   それがこだわりでしょ。

−−:今は、茶畑の管理から事務や営業、
   ぜんぶおひとりでやってらっしゃるんですもんね。

岸本:お茶はばあちゃんが手伝ってくれてるけど、もうご老体ですし。
   もともと大工なもんで、日曜市とかで出店したときも、
   うまくお客さんに話せれんのですよ。
   兵庫のお客さんとかからは、もっとがんがんこなくちゃって言われました。
   シャイなもんで、恥ずかしくて。

−−:茶大福もつくったり商品企画までですもんね。
   おじいさんの反応ははどうでした?



岸本:茶大福はね、おじいちゃんに反対されました。
   それは冒険や! って。
   売れるか売れないかわからんのに投資してなんになると。
   それやったら、もっと一生懸命茶を作れって。

   おじいちゃんには、お茶を作ってきたプライドというか、
   ここのお茶は一番やって思いのもとやってきちゅうから、
   それは横道にそれることやって。
   あんまりおもしろくないって気持ちがあったと思います。

   でも、ただお茶を作っていただけでは、結果かがわかっているんですよね。
   茶の値段はさがっちゅうし、頭打ちやし。

   だから、そうじゃないんやでって。
   でも、売れてきたらいっしょに箱作ってくれたり手伝ってくれたりしてくれました。
   心配していたんだと思います。全然知らない世界だから。

−−:昔はお茶だけ作っていたら生活ができていましものね。
   仁淀川町の茶農家さんはみんな昔は高値だったからとよく言ってます。

岸本:今は、経費はあがっていて価格は安いから、
   畑をひろげても売り上げが少ないですもんね。
   ただの生産農家では面積分でどこかで頭打ちします。
   加工品を作って付加価値をつけて高くして、
   なおかつお茶を知ってもらってファンをつくっていきたいです。
   とにかく、沢渡のお茶を続けたいんです。
   正直、今はまだまだ売り上げも少なくてうまくまわってないけど、
   沢渡茶がどんどん売れたら地元の人の茶葉を高く買って、
   生産量も販路も広げていきたいと思っています。
   それが沢渡のお茶の維持、茶畑の風景の維持につながる、
   そんな想いでやっています。

−−:今年も、人がやめた茶畑をやられているそうですね。

岸本:はい。茶畑は1年手入れをやめたら、次の年が大変なんです。
   やるなら引き継いでいかなくっちゃいけない。
   日々の管理をきちんとして、お茶の品質を下げないようにしています。

−−:お茶以外の畑仕事はあるんですか?

岸本:お茶以外には、しきびやぜんまいなどもやってます。
   全部で2ヘクタール。
   お茶は期間がきまっているので、
   おじいちゃんが裏作としてやっていた「しきび」を継いで、
   京都に売っています。
   ぜんまいはお茶の前の時期の仕事ですね。



−−:ちなみに茶大福ですが、
   茶葉がパウダーじゃなくて葉っぱが入っているって珍しいですね。

岸本:食べるお茶、お茶っ葉を食べるというのがコンセプトなんで。

−−:そういえば、お茶は葉っぱに栄養成分があるってききますね。

岸本:そうなんです、お茶っ葉自体栄養価が高いんです。
   お茶だとたった40%分しか抽出できていないんですよ。

−−:そうか、茶殻は捨ててますがもったいないですね。
   なんか使い方ありますか?

岸本:うーん。ないかなあ・・・

隣でいらっしゃったおばあちゃん:
   うーん、消臭効果があるらしいよ。
   ほうじ茶とかいいからトイレにいれよったよ。

岸本:それってぼっとんのときやろ?

おばあちゃん:そうやね(笑)

−−:(笑) ちょっと今は使えないですね。
   最後に、今、IターンやUターンで仁淀川町へ来たいと思っている人に。

岸本:短いですけど、今までの農業をベースに新しい風をふかせてほしいですね。

−−:ありがとうございました。

《終わり》

 
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